【和田 優希】ブラジル通信 vol.1

こんにちは、北海道に住み始めて約4ヶ月が経った和田優希です!

とっても寒い北海道に慣れようと頑張っている私ですが、約2ヶ月前にはほぼ赤道直下にいました😆

私は、11/5から11/15にかけてCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)に参加してきました!

COPはConference of the Parties の略で、国際条約に締約している国が一堂に集まって行う会議のことです。そのため、様々な「COP」が存在しますが、今回私が参加したのは気候変動枠組み条約のCOPです!

今年のCOPはブラジルのベレンという場所で開催されました。

広大な熱帯雨林やアマゾン川を持つブラジルでの開催だったことから「ネイチャーCOP」と呼んでいる人も多く、森林保護に関する資金枠組みや、自然を活用した解決策(NbS:Nature-based Solutions)などが大きく取り上げられました。

そのほかにもCOPでは「気候変動」を軸に、非常に幅広いトピックについて議論が交わされます。

私は「気候変動適応(Adaptation)」の分野に着眼して交渉の追跡などを行ないました。
今回の記事では、そもそも「適応」とはどういう分野なのか、なぜ私がこの分野に興味を持って参加したのか、などを書きたいと思います!

気候変動政策は、主に「緩和」と「適応」の2つに分けられます。

ざっくり言うと、
「緩和」:温室効果ガスの排出削減などを行うことで、気候変動が生じている根本的な原因を対処していくこと
「適応」:気候変動によって生じる環境の変化に備えて、被害を最小限にしていくこと
です。

そもそも私が気象予報士になった理由の1つとしては、特に「適応」分野において、この職業が重要ではないかと考えたからです。

(気象予報士が気候変動問題に対して貢献できることについて、登壇で発表もしました!)

気候変動によって異常気象の頻度や強度は増しています。
夏の高温や豪雨、冬のドカ雪などによる被害を最小限に食い止めるためにも、正確な気象予報と市民への情報伝達は非常に重要だと考えています。

日本は他国と比べて気象予報が高い水準にあり、前もって対策を進められやすい環境が整っています。
注意報や警報も、地域ごとの基準が細かく定められており、避難が必要かどうかなどの危険度が分かりやすくなっています。
また、それらが発令されればテレビやスマートフォンなどで誰もが簡単に知ることができます。

ですがこのような体制が整っていない国もたくさんあります。
同じ規模の台風が来ても、備えの体制が整っている国とそうでない国では被害の規模や被害者の数も異なります。

このように備えが足りていない国に対して(もちろんどの国でも「備え」は完ぺきではないので、全ての国が議論の対象ではありますが)、どのような取り組みが必要か・どのような政策を実行していくべきかなどを話し合っているのが「適応」の交渉です。

私自身、将来、脆弱国に対する気象予報技術の移転や早期警戒システムの導入などに携わっていきたいと考えているので、そのような取り組みがしやすいような体制が整えられるかどうかを確認したくて、この交渉議題を追いました。

(交渉ルームです!交渉官だけでなく、オブザーバーもたくさんいます!)

私は特に、適応分野の取り組み進捗を確認する「GGA(Global Goal on Adaptation)」の指標作成に着眼していました。

交渉の中では「適応分野の取り組みを進めていくためにも、それに係る資金の話し合いを優先して進めたい」と主張する国や、「具体的な取り組みの促進をしていくためにも、進捗を測れる指標の作成を優先して進めたい」と主張する国などで対立が生じたりしていました。

交渉の末、59項目のGGA指標が合意されましたが、その合意に至るプロセスや内容には問題があるとして波紋を呼ぶ結果となりました。
なので、まだまだ試行錯誤と議論は続きます。

(ユースの仲間とAdaptationに関するプラカード作りもしてみました!)

私はCOP29とCOP30に参加して、交渉や会場の空気感などを経験してきましたが、これらを通して「実際に議論自体は進んでいるものの、その結果を全て待ってから何か取り組みを開始するのは遅いのではないか」と感じています。

国が何かの制度を作ってから、政策を打ち出してから、ではなく、民間セクターとして、個人としてでも取り組めることはあるし、その動きを大きくすることが国際的な流れを作ることにも繋がるのではないかと感じました。

ということで、私も自分にできることを1つずつ前に進めていきたいと思います。

(全然関係ないですが、ブラジル滞在中に誕生日を迎えて様々な国の友達にお祝いしてもらいました!)

だいぶ長くなってしまいましたが、今回のブログはCOPに関連して、参加の背景や現地での経験を書かせていただきました!

次のブログでは、現地の空気感やパビリオンエリア(万博のように、参加している国や国際機関ごとのブースがある)での学びをお伝えできたらいいなと考えています!

読んでくださった方、ありがとうございます!!

和田 優希 (わだ ゆき) 
吹奏楽歴は13年目です!
カヤックやマウンテンバイクも乗りこなします!